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MANIAC LOVE 閉店 [DJ / CLUB]

しばらくブログの更新を怠っていました。
これまでの間9月末から10月中旬にかけてのヨーロッパツアーのこと(これはLoud誌上でレポートを書くことになりました)とか、10月23日のRebootのこととか、ういちゃん(Uiroh)の誕生会、Tobyの誕生会といろいろ書きたいことあったんだけど、何とは無く今日の日を迎えてしまったといった感じです。
それは帰国の数日後に決定した事実、「Maniac Love閉店」という事件に自分が揺るいでいたせいでもあるでしょう。

昨晩Maniac Loveのウェブサイトにて公式発表されたこの事実は、随分前から噂として流布されていました。中には突拍子もない話も幾つか聞きましたが、実際には昨年のReboot X'mas Partyで起こった、フロアでのタバコの不始末によるボヤ騒ぎに端を発した一連の設備や営業形態による問題が大きいでしょう。
ボヤ騒ぎで消防を呼ばざるを得なくなり、同時に警察も登場。消防側からは非難口の確保が十分でないことを、警察側からは時間外営業を指摘されました。その後一時営業を自粛しつつも、大晦日を境に通常営業へと。しかし今年6月に再度警察からの指導があり、12年間営業を続けているとそういったものも積み重なり、このままでは逮捕者まで出かねない状況になってしまいました。それ以降は完全に深夜営業を自粛。法に触れない0時までの営業もしくは日の出からのアフターアワーズ営業という形態を強いられてきました。
Maniac Loveとしては改装することで法に適った設備、営業形態にする計画を進めてきたようですが、それもビル側の同意が得られず閉店已む無しといった結果となってしまったようです。
都知事かんべんしてくれよってとこもあるでしょうし、近隣の住民への配慮なく路上で大騒ぎする一部の来場者にも問題があったかもしれません。
閉店に関する噂の中にはドラッグのせいだとする話も多々あるようでしたが、正直それは関係ないでしょう。ドラッグが問題ならば営業の時間帯を変更することに何の意味も無いわけで。
それよりも周辺の住民からの苦情。つい最近ですが、店を出た客に路上で暴言を吐かれたとして、住民が直接苦情を言いに来た現場にボクも居合わせたことがありました。「この辺に住んでる人達はここを街のガンだと思ってる!」とさえも言われました。
ラブホテル街や人の住んでない埋立地ならまだしも、ここは青山の一等地ですからね...ビル側に相当の苦情が寄せられていて、契約の更新を考えさせることになったのは想像に難くありません。

とにかく、これでひとつ何かが終わりになります。
新宿Liquid RoomとManiac Love。共に化粧っ気がなく、最高の音を追求した最高の大箱と小箱。何が終わるんだろう?

93年12月にオープンしたManiac Loveは、正気かと思える真っ白な壁に囲まれた空間で、毎週末テクノという、当時、いや現在でさえも他には無いスケジュールでスタート。オープニングレセプションの日は超満員。翌日行ってみたら客5人。大丈夫かよって不安になったし、その心配はしばらくの間的中してはいたものの、Sublime Recordsを中心とした東京のテクノシーンの活性化により、状況は見る見るうちに変わってきました。
そのSublimeは毎週土曜のManiac Loveをプロデュース、パーティー名もSublimeとし(後にCycleに改名)、DJ Wada、Yamaをレジデントとして多彩なゲストが出演。
アフターアワーズパーティーをレギュラーで成功させた最初のクラブとなったManiac Loveには、来日中のビッグネームがこぞって出演。Derrick May、Sven Vath、Richie Hawtin、Dave Angelなどが、ギャラ1万円、あるいはタダでプレイしてくれる、いや、プレイしたがるクラブへと。

ボク自身はオープンして約1年間、月一木曜日の枠で、山本展久(現在のDuck Rock)と共にMusic Machineというパーティーでプレイしていました。平日だけど、100人近い集客はありました。その後Maniac Loveの系列店として新宿Automatixがオープンし、ボクはそちらへ移動してレギュラーパーティーとして始めたのがMoon Age。レジデントDJはボクとTatsuya Kanamori(後にDJ Shufflemasterに改名)。客として来ていたタカミは当時高校生。Automatix閉店後、Moon Ageは新宿Liquid Roomへと場所を移して不定期開催。そんなタイミングでManiac Loveの金曜枠をそれまでのハウスからテクノに変更するに当たって新しいパーティーの構想が持ち上がりました。金曜のプログラムを一新させること、ボク自身3年ぶりのManiac Love復帰ということをかけてつけたタイトルがReboot(再起動)。当時ドラムンベース、ビッグビートなどの隆盛で、4つ打ち離れが見え始めたところ、改めて4つ打ちのハードなテクノに焦点を当てたレギュラーパーティーを目指したReboot。このコンセプトは、今となっては珍しくないものの当時としては唯一のものでした。やはりこういうパーティーを求めていた人が多かったんでしょう、Rebootはスタート当初から大盛況で、東京ローカルなパーティーであるにも関わらず、その名前は全国区へ。レコード店のポップには「リブート系」という文字も見られるようになりました。
間もなくRebootは、集客、勢い共にManiac Loveナンバー1のパーティーへと成長し、8年もの間多くの人たちに支えられてきました。

アフターアワーズしかできなくてもManiac Loveでしかやるつもりはなかったし、Maniac Loveが続く限りはRebootは続けていくつもりでした。
Maniac Loveに対する愛着が人一倍あることに自信があります。あそこはボクのセカンドホームでした。
Maniac Loveが終わったらRebootも終わり...か?..

いや終われない。
Rebootは、Maniac Loveの遺志を継ぐべきパーティーです。
行き場をなくした全てのManiac Loversのためにも。これからの東京のテクノシーンのためにも。まだまだボク達は役割を終えてません。
ベンちゃん(和田店長)も、どこかで一緒にRebootは続けていきましょうと言ってくれています。
11月で一旦Freezeします。しかし来年必ずどこかで再起動(リブート)することを約束します。

手始めに、12/23(金)の夜、青山のライブハウス「月見ル君想フ」でReboot X'mas Partyを開催します。
24時オープンで朝9時半まで営業。出演はQ'hey、Mayuri、Takami、KanaのRebootレギュラー陣と、アフターアワーズにUiroh。
11/26のManiac Loveでの最後のRebootを公開録音。それを1枚のCDにまてめて、X'mas Partyにご来場の方々にプレゼントします。
月見ル君想フは、バルコニーの存在や天井の高さなど、吉祥寺のStar Pine's CafeとManiac Loveの中間的な雰囲気があり、青山通りを曲がって(外苑西通りだけど)最初の信号を右折という立地的シチュエーションもManiac Loveっぽい(笑)ところです。
とりあえず今年のクリスマスはここでやってみますが、今後のRebootのレギュラー開催に関しては未定です。このブログのコメント欄ででもクリスマスパーティーの感想や意見なんかを聞かせてくれたら、検討材料になるんで嬉しいです。

その前に、Maniac Loveがオープンしている間は、いろんな想いを巡らせに出来るだけ通おうと思ってます。


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music lover

昨年たまたまManiacのアフターに遊びに行きました。
Seco bar→Module→Maniac Loveへと、踊りた倒したい欲求の赴くままに遊んだ夜。辿りついたManiacのFloorは、快楽と欲望の渦巻くカオス!そして流れる最高のDance music!!その日は偶然Q'heyさんのバースデイバッシュだったらしく、結局昼過ぎまで踊り倒して青山デニーズでアフターのアフター。。
その日Maniacで体験した空気・音・人・グルーヴは、僕の音楽観に新たな刺激と発想を与えてくれました。無機質なエンターテイメントが溢れる今の日本で、肉体的で刺激的な夜を体感できるManiac Loveは、TOKYOが世界に誇れるCLUBだと思います。今さっき偶然このblogで閉店を知りましたが、とっても残念です。。
Maniac閉店でひとつの時代が終わるのかもしれませんが、同時に新しいなにかの創まりのキッカケです。そう思って今を愉しみましょう!
最高のPlayでManiacのグルーヴをまたどこかで体感させてくださいね!かげながら応援してます!Floorでは汗だくで(笑)
説教くさくながながと書いてしまいましたがこの辺で・・・
またどこかのFloorでお会いしましょう♪
by music lover (2005-11-04 17:21) 

taka

Q'heyさんのDJ を初めて体験させていただいたのは
Maniac Love でした。
それから、頭の中真っ白にして、何もかも忘れて、ひたすら踊れる
Q'heyさんのplayと、同じように楽しんでいるお客さんと、
フロアの一体感があって、とても心地よくて、Maniac Love が一番好きな箱
になっていました。
そのManiacが閉店・・
とても残念です。
by taka (2005-11-04 20:46) 

tokyoa-antenna-technology

Q’HEYさんの音が大好きで毎月リブートに行くのが、習慣でした。
とても残念です。
そしてかなしいです。
このやり場のない気持ちをどうしたらいいのでしょうか。
とりあえずまだある残りのパーティーを悔いのないように踊り倒したいです。
by tokyoa-antenna-technology (2005-11-04 23:04) 

yoppo

maniac loveは妻と出会った場所でもあり、とても思い出深いところです。
一部の悪い面だけを見て、「ガン]だなんて言われてしまうのはとても残念なことです。

ホントはその逆なのに!
by yoppo (2005-11-22 20:33) 

qhey

「ガン」とまで言ってきた人は、ちょっとヒステリックなクレーマーおばさんです。まあその分差し引いて考えても、よくは思われてなかったのは確かでしょうけど。
でも実際にmaniac loveで過ごした時間はかけがえの無い大切なものですから、その思い出を胸にいつまでもお幸せに!
by qhey (2005-11-22 23:39) 

b.

閉店残念です。
しかし、意志を継ぐ。
これはすばらしい決断ですよ!
意志を継ぎ昇華、発展させてください。
再起動すればバージョンアップも付いてきますよ。
応援してます。
by b. (2005-11-25 18:35) 

Luxx

散り際のクールさも日本の美徳…。
maniac loveは本物のLOVEだった☆
クレーマーおばさんは本物のガンだった。

maniac love was always a sonic pleasure! thankies guys!!!

http://luxx-aeterna.mo-blog.jp/luxxiness/
by Luxx (2005-12-30 04:10) 

Q'HEYさんの写真を見て、ずーっとどこかで見たことがあると
思っていたんですが、山ちゃん(DUCK ROCKさん)と一緒に
やってらした方なんですね! どうりで・・・・・
山ちゃんとは某洋楽誌の編集長のプライヴェート・パーティで知り合い、
かなり色んなイヴェントに顔を出しました。
Maniac Loveも、毎週じゃないけど行ってましたよ。
懐かしいなぁ・・・
by (2007-08-14 14:25) 

qhey

記事にもある通り、山ちゃんとはManiac Loveや吉祥寺のHustleなどで一緒にパーティーやってました。
ここ数年は一緒にプレイする機会は少ないものの、ずっといい友人です!
今度山ちゃんと一緒にやるパーティーがある時には、是非遊びに来てください!
by qhey (2007-08-14 21:06) 

blurnero

そうなんだよね。カルチャーはまだ活きてる箱は。いまはどうかな?
いまの東京の箱を知らない。
あれほど飛び抜けた主張する空間はいま…あり?なし?
by blurnero (2013-07-06 13:25) 

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