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2006.10.14 Big Connect '06 @ ageHa [DJ / CLUB]

150bpmで走り切った電気グルーヴののライブの後、一旦クローズして23時から再オープン&DJスタート。
先日ここでも書いたとおり、この時間帯を志願してのウォーミングアップからというセットになったわけだけど、これが結果的には自分でも大満足できる出来でした。
最初はノンビート~120bpmからのスタートだったんだけど、オープンしてすぐからアイランドバーのフロアには人が集まり始めて、23時30分を過ぎた頃には既に程よく埋まってきました。人気のないフロアで人の入りを待ちながら淡々と曲を繋いでいくだけのオープニングDJとは違って、これだけの数のオーディエンスがいれば、最近のミニマル特有のちょっとした展開での反応もしっかり掴めて、やっていてホントに気持ちよかったです。
通常ハードな展開になってから、あるいはハードなDJの後に交代して回すミニマルものでは、オーディエンスの耳と体が既にハード目なものに麻痺されてしまっているので、こういった展開が成立し辛いものです。ハードなDJの後でもミニマルでしっかりした反応を手にすることができるのは、日本では田中フミヤくらいでしょうか。彼は時間をかけて現在のアイデンティティーを確立していますが、ボクなどは基本的にハードテクノDJですから、彼と同じこと、同じ掴みはできません。今の彼がボクと同じことができないように。
話は少しそれましたが、ちょっとしたシーケンスの流れや、ささやかなブレイク、曲をシフトする際に入れ替わるキックやベースといった展開での反応をしっかり掴みつつ、選曲とbpmも徐々に上げていきました。ageHaの場合、各フロアの内容やパーティーの集客力によっても違いますが、この日の場合オープンしたてのアリーナよりもアイランドバーの方が温まりやすくて、最初のうちはアイランドバーで過ごすという人も多いだろうし、時間が経つにつれてアリーナへ移動が始まるだろうと読んで、いくつか節目となる時間帯に一旦ピークを設けようと考え、少し早いかなとは思いつつも12時ジャストくらいにリリースされたばかりのInner City "Good Life - Eric Pryds edit"をスピン。これがこの日のボクのセットの中でもトップクラスの盛り上がりとなり(まだ12時なのに!)、きっちり埋まったフロアはオールハンズアップの大歓声に。
その後もエレクトロものを少しかけてから、リズムにより厚みのあるハードなものへシフト。この辺りでもいよいよ来た!って感じの反応が掴めて、徐々にヒートアップしていき、若干クールダウンする波も作りながらラストまで突っ走りました。最終的には135bpm。スタートしてから15bpm上がったことになります。この3時間セットで今やりたいことをしっかりやり遂げることが出来て、程よい疲れと充足感を味わうことが出来ました。
ちなみにミニマル、エレクトロものをセットの中に取り入れてきてはいますが、これまでの自分のアイデンティティーを象徴するハードテクノを止めることは決してありませんから。Ken Ishiiのニューアルバム"Sunriser"(11/1発売)に石井くん自身が添えた言葉として、現在世界的に見てテクノは必ずしもいい状況に置かれているとは言えないものの、自分は自分なりのテクノをこのアルバムでやり切ろうと思ったという趣旨のコメントをしています。実際このアルバムはKen Ishii節炸裂の本来のテクノらしいテクノアルバムなんだけど、その内容同様彼のアティチュードは素晴らしいと思います。時代と共に変わるものもあれば変わらないものもあります。時勢に乗ってスタイルを完全に変化させていくDJ/アーティストを否定するつもりはないし、そういうのって生き延びる上で重要な処世術なんだろうけど、ボク自身は一度自分がこれ!と感じたものを時代が変わったからと言ってそう易々とは捨てることができません。ただの不器用なのかもしれませんが。


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775

とてもいいプレイだったんですね
当日 アゲハにはいけなかったのですが長年 Qヘイさんのファンのものです。

DJのかたのスタイル変遷は きっとそのかたの日常のなかの自然なながれで
おきることなんでしょうけれど オーディエンス側としては、それまでのその人のプレイで自分がきにいったスタイルに期待して 足を運ぶケースが多いんでは無いかなあと思ってます。(実際 私がそうなんですけど…)で なんかかわっちゃったーなんていいながら ちょっとづつはなれていってー…

今回のQヘイさんの記事を読んで いろんなことを感じながらプレイされているDJのかたの人間味が(硬い表現ですね)より一層伝わりました。
私はクラブ歴10年ほどなんですが これからはその人のアイデンティティも楽しもうなんて思いました。
なんかたわいも無いことでごめんなさい なんですが
このブログを読むようになって ますますQヘイさんのファンになりましたー。
これからも DJ楽しみにしてます!

それと ハードテクノのQヘイさんのプレイがやっぱり一番好きです☆
by 775 (2006-10-16 02:16) 

qhey

ありがとうございます!
こういうコメントをいただけるのは、すごく嬉しいし励みにもなります。
これからも応援してくださいね。
そして一緒にいいパーティーを作っていきましょう。
ボクもあなた方を応援します。
by qhey (2006-10-16 22:45) 

SATO

Q'HEYさん、775さんの意見にとても共感しました。
ハードテクノを作っていた人たちがクリック系の音をリリースする
ようになってきましたよね。
自分としては昔の曲の感じが良かったなぁって思ったりもするんですけど
曲を作る立場としてはある程度、変化をつけていかないと
長い間、曲を作り続けるのは難しいのだろうなぁって思ったりもします。
特にテクノなんていうのは、斬新な曲を考えるのって難しいでしょうね。
あまりに斬新すぎるとテクノじゃなくなっちゃいますしね。
好きなDJの人にはやっぱりあまりスタイルは変えてほしくないと
思います。

自分も趣味でやってる程度ですけど、DJをしています。
目指してる音の感じはもちろんREBOOTです。
よく、この曲REBOOTでかかりそうだなぁって思ってレコード
買っちゃったりします。
最近、ハードテクノ以外のレコも買うようになってきたのですけど
やはり中心になるのはハードテクノであって、それは変えたくないなぁ
って思ってます。
歳をとるにつれて考えは変わるかもしれないですけど・・・

オレもハードテクノのQさん、REBOOTが大好きです。
これからも、がんばってください!
by SATO (2006-10-21 11:04) 

qhey

SATOさん

そうですね。
変化は大切なことでもあり、時には必要なことですし、変わっていくその先にこそ自分の求めるものがあるというのなら突き進むべきでしょう。また年齢による変化についても避けられないものがあるでしょう。
でも流されて変わっていくのであれば、もう一度自分の本当に大事なものを見つめ直して、それを大切にしていくべきだと思います。
by qhey (2006-10-27 05:43) 

Yasu

> 時勢に乗ってスタイルを完全に変化させていくDJ/アーティストを否定するつもりはないし、そういうのって生き延びる上で重要な処世術なんだろうけど、ボク自身は一度自分がこれ!と感じたものを時代が変わったからと言ってそう易々とは捨てることができません。ただの不器用なのかもしれませんが。

こういったスタイル、スタンスの議論、好きですね。
アイデンティティーとしては、歳を経てもテクノ・マニアである自身を見失いたくないですね(プロDJの方々に比べれば素人ですが)。というより音楽を聴くとアイデンティティーを取り戻しほんとに興奮できる感じかな。
Q'heyさんは明らかにスタンスが一貫されていますね。Automatix時代から(何年前だ~、10年位?)遊びに行かせて貰っていますが、いつも場の雰囲気がreal undergroundでいいですね。
11/18のKen Ishii "Sunrise" Release Tour @ ageHa はいくつもりです。
by Yasu (2006-11-03 11:43) 

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